「定期借家制度」とは
借地・借家・マンション問題
Q.「定期借家制度」とはどのような制度ですか?
A.2000年3月1日に施行された「良質な賃貸住宅等の供給促進に関する特別措置法」によって、定期借家制度が新設されました(借地借家法38条)。次のような特徴があります。
- (1) 契約で定めた期間が満了することにより、更新されることなく確定的に賃貸借が終了します。書面により合意することが要件です。終了後に賃貸人と賃借人の双方が合意すれば再契約することができます。
- (2) 中途解約は原則としてできません。営業用(居住用で200m2超を含む)の場合、残存期間の賃料を支払わなければならず、居住用(200m2以下)の場合、転勤・療養・介護その他やむをえない事情がある場合のみに中途解約ができます。中途解約が認められれば、解約申入後1カ月で契約が終了します。
- (3) 契約期間に法律上の制約はありません。1カ月でも20年以上でも大丈夫です。ただし、原則として中途解約ができないので注意してください。
- (4) 賃料の特約を設定することができます。この特約があるときは、減額請求(借地借家法32条)の適用はありません。定めた期間の賃料を絶対に変えない約束(「家賃値上げはしない」「社会情勢が変わっても賃料変更不可」など)も有効です。
- (5) 貸主は契約終了の通知をしなければなりません。契約期間が1年以上の場合には、1年前から6カ月前までの間に終了通知をすることにより通知した契約期限で契約が終了します。ただし、この1年前から6カ月前という期間を経過した後であっても終了通知をすることは可能であり、通知後6カ月経過すると契約終了となります。
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