売買契約書を交わす際の注意
不動産取引・建築問題
(1) 売買代金の決め方がどうなっているか
土地の売買、特に坪単価(または平米単価)に面積を乗じて売買代金を算出している場合には、公簿(登記簿謄本に表示されている)面積での取引なのか、実測面積での取引なのかを明確にしておくことが必要です。実測面積での売買の場合、後日測量して坪数が足りない場合には代金の減額を主張できます。
(2) 契約時に支払うのは、手付金か内金か
契約書を作成するときなど、買主が代金の一部を支払うのが通常ですが、そのお金が内金(代金の一部)に過ぎないのか、手付金なのかを契約書で明示しておいた方がよいでしょう。
手付金として支払った場合、買主は手付金を放棄して、売主は手付金の倍額を返して、契約を解除することができます。ただし、相手方が契約の履行に着手したとき(買主が代金全額を用意して、売主に登記移転を促したときなど)は契約解除ができなくなるので、注意が必要です。なお、手付金は内金としての性質も合わせ持つのが通常です。
(3) 残代金の支払いと登記は、いつ、どこでするか
通常は、売買代金から手付金(内金)を差引いた残代金を支払う際に、所有権移転登記を行うことになります。
一般的には、不動産取引における登記手続は司法書士に依頼されることが多いでしょう。ですので、残代金支払の際には、登記手続を依頼する司法書士が立ち会い、所有権移転登記に必要な書類(印鑑登録証明書、実印による登記委任状など)などが司法書士に渡されたことを確認して、残代金を支払うこととなります。売買契約書では、そのような残代金支払と登記手続について明確な契約条項になっているかどうかを確認しておくことが必要です。
(4) 買主が住宅ローンを組めなかった場合、取扱いはどうなるか
売買代金について、買主が住宅ローンを組んで調達することになっている場合、その住宅ローンについて、審査に通らないなど融資が受けられなかった場合の取り扱いについて、明確に定めておくことが必要です。多くの場合は当然無効となり、契約が白紙に戻されることとなっていますが(住宅ローン特約条項)、そのことが売買契約書の中で明記されていなければならないので、確認が必要です。
(5) 特約事項が売買契約書に明記されているか
特約(文字どおり、特別に約束した事項)がいくつかあるのに、市販の売買契約書を利用して契約するような場合、その特約が記載されないことも少なくありません。特約が売買契約書に明記されていないために、後日紛争が起こったりすることにもなりますので、特約は必ず売買契約書に明記することが必要です。
Q&A一覧
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