売買契約で購入した建売住宅の欠陥建築の責任追及
不動産取引・建築問題
Q.売買契約で購入した建売住宅の場合も欠陥建築の責任を追及できますか?
A.建売住宅の場合でも、売主に対し欠陥(瑕疵)について損害賠償を請求することができ、欠陥(瑕疵)が重大で建て替えざるを得ない場合は、建て替え費用も請求できます。
ただし、この請求は欠陥(瑕疵)の存在を知ってから1年以内に請求しなければならないので、欠陥を知ったときは放置せず、まず内容証明郵便で通知しておくことが必要です。
建売住宅の売買の場合にも、2000年4月1日以降の新築物件には住宅の品質確保促進法の適用があり、「構造耐力上主要な部分または雨水の浸入を防止する部分」に瑕疵がある建売住宅を買った場合は、引き渡しを受けたときから10年間、瑕疵担保責任を追及できます。
1年の期間が過ぎてしまった場合でも、建築基準法の基準を満たしていないような建物を売買した場合、そのことにつき「故意または過失」がある建築業者、売主あるいは仲介業者に対し、不法行為としての責任を追及できます。この場合の時効は、損害を知ったときから3年または建築から20年のいずれか短い方です。
Q&A一覧
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この記事の内容は2020年3月末までに発生した債権であることを前提としています。民法改正により、2020年4月1日以降に発生した債権については時効期間が異なっていますので、ご注意下さい。
改正後は、原則として一律に「権利を行使することができることを知った時から五年」(改正民法166条1項1号)となり、不法行為の場合は3年(同724条。ただし「人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権」については5年(同724条の2))となっています。
また、賃金請求権については、2020年3月の労働基準法改正により、同年4月以降に発生するものについては3年ということになっています。