公正証書
公正証書
公正証書とは
公正証書とは、公証人が法令に従い法律行為その他私権に関する事実につき作成した証書のことで、次のような特徴があります。
- (1) 強い証拠力を持ちます。後日、文書を作成した・しないの紛争を防止できます。
- (2) 執行に異議がない旨の文言を入れておくと、裁判するまでもなく、強制執行をすることができます。ただし、お金の貸し借りや養育費の支払いなどのような金銭債務の支払いに限ります。
- (3) 裁判所で強制執行のお金を配当するときに配当加入して配当金を受けられます。
なお、公正証書にしなければ法的効力が認められない契約があります。例えば、事業用定期借地権の契約書や任意後見契約の契約書などです。ほかに、尊厳死宣言の公正証書なども作成できます。
公正証書の原本は原則として公証人役場で20年間保管され、当事者には正本、謄本が交付されます。
公正証書の作成ができる場所
公正証書の作成は、公証人役場へ行って、公証人に作成を依頼します。印鑑証明(3カ月以内のもの)、運転免許証、パスポートなどにより人違いでないことを証明する必要があります。代理人に頼んで作成してもらうときは、実印により作成された委任状と印鑑証明が必要になります。
公正証書で遺言を作成したい場合も、公証人役場へ行けば公正証書を作成してもらえますが、作成したい人が病気で動けない場合などは公証人に出張してもらうことも可能です。
公正証書作成のほかに公証人役場で行っていること
公証人役場では、私人が作成した文書の署名や押印に認証を与えたり(私署証書の認証)、私文書に確定日付を押印したり(確定日付印)といった業務を行っています。
確定日付とは、その日にその書類が存在したことを証明するもので、確定日付押印を押しておけば、問題の文書がその日付までに作成されたものであることが証明されることになります。
電子公証制度
確定日付や認証、会社定款の認証などを受ける際に、インターネットを利用して行うことができます。いくつかの準備が必要なこともありますが、こうした認証手続を頻繁に利用する人は、最寄りの公証人役場や法務省のホームページ、日本公証人連合会のホームページなどを参照して、利用するとよいでしょう。