証券取引で被害に遭わないためには
消費者被害
Q.証券取引で被害に遭わないためには何に気をつけたらいいのでしょうか?
A.証券取引とは、主に証券取引所で、株式、社債・転換社債、国債・地方債、投資信託、ワラントなどを売買することをいいます。近時の規制緩和の流れの中で、証券会社のみならず銀行や保険会社でも取り扱われるようになっています。多くの被害が発生している未公開株取引も、この一種です。
これには、1. ある株式を購入する場合、購入したい株数に株価を掛けた金額に手数料や税金を加算した金額を証券会社に支払うこととなる取引である現物取引と、2. 証券会社に支払った金額を超える株式を、証券会社から借り入れた資金を利用して取得する信用取引とがあります。1. の場合は株価が下落しても手持ちの株式の価格の下落分に相応する損失を被るだけで済みますが、2. の場合はさらに証券会社に対する借金の負担も加わるので、よりリスクの高いものということができます。
金融商品取引業者を介して行う株式売買や投資信託による損失については、元来、自己責任の原則が妥当すると言われてきました。しかし、知識も経験も乏しい一般投資家が取引について適切な判断をすることは困難を伴うものであることから、金融商品取引法では、金融商品取引業者が適合性の原則*1を遵守すべきことや、投資者に対する説明義務を定め、さらに、断定的判断の提供による勧誘の禁止(金融商品取引法38条第2号)、不実表示*2の禁止、損失補償・損失補填の禁止(同法39条)などを定めています。
金融商品取引業者がこれらの規定に違反した場合、損害賠償責任を追及するなどの手段が考えられますが、そのためには、取引業者のセールストークを録音するなど証拠にして残すことが肝要です。
- *1 適合性の原則 投資勧誘に際して、顧客の知識、経験および財産の状況に照らして、適当と認められる取引を行わなければならないという原則
- *2 不実表示 事実に反する表示をすること、必要な表示をしないこと
Q&A一覧
- 消費者被害にはどのようなものがありますか?
- 未成年の子どもが消費者被害に。契約を取り消すことはできないのでしょうか?
- 「クーリング・オフ」という言葉をよく聞きますが、どのような制度でしょうか?
- 強引な勧誘で契約を結ばされたのですが、取り消すことはできないのでしょうか?
- 訪問販売や電話勧誘販売で被害に遭ってしまいました。なんとかならないでしょうか?
- 訪問販売で被害に遭った場合、どのような対応が?契約を取り消すことができますか?
- 分割払で高額な商品を購入させられました。契約を取り消すことは可能でしょうか?
- 先物取引による被害に遭わないために、気をつけなければならないことは?
- 証券取引で被害に遭わないためには何に気をつけたらいいのでしょうか?
- 外国為替証拠金取引は被害に遭いやすいと聞きますが、どのようなものですか?
- 未公開株商法による被害が拡大しているそうですが、どのようなものですか?
- インターネットを利用する際、どんな点に気をつけるべきですか?
- 最近よく耳にする「リース契約」が関係する消費者被害もあるのでしょうか?
- 振り込め詐欺による被害に遭った場合、何らかの対応が可能でしょうか?
- クレジットカードの明細に利用した覚えのない取引が。カード情報を盗むスキミングでは?
- カードの盗難・偽造などで預金が引き出された場合、泣き寝入りするしか…?偽造などで預金が引き出された場合、泣き寝入りするしか…?
- 盗まれた通帳から預金が引き出されました。お金は返ってこないのでしょうか?