強引な勧誘で契約を結ばされたのですが
消費者被害
Q.強引な勧誘で契約を結ばされたのですが、取り消すことはできないのでしょうか?
A.消費者契約法とは、「契約は守らなければならない」という民法上のルールを一定の場合に修正して消費者の保護を図る法律で、消費者と事業者との間で締結される契約を幅広く対象としています。「事業者」とは、法人その他の団体及び事業としてまたは事業のために契約する個人と定義されますので、すべての団体は「事業者」に当たり、その適用範囲は相当広いといえます。
消費者契約法は、契約を締結する過程での事業者の不適切な勧誘行為に対して消費者に契約の取り消しを認め、また、契約の条項のうち消費者に一方的に不利益な条項を無効としています。具体的な内容は次に挙げたとおりですが、例えば、「必ず値上がりします」と言われた場合は(1)の(ア)に、帰ってくれと言っても帰ってくれなかったという場合は(イ)に該当し、契約を取り消すことができます。また、不利な条項は、内容によっては(2)によって無効となる可能性があります。なお、取り消しは、取り消しうることを知った日から6カ月以内にしなければなりません。
(1) 契約締結過程での不適切な勧誘行為
- 1. 消費者を誤認させる行為
- 2. 重要事項に関する事実の不告知
- 3. 将来の変動が不確実な事項についての断定的判断の提供……(ア)
- 4. 重要事項に関する消費者の不利益事実の故意の不告知
- 5. 消費者を困惑させる行為
- 6. 住居、就業場所からの不退去による勧誘行為……(イ)
- 7. 勧誘場所からの退去を阻害する勧誘行為
(2) 契約条項のうち、消費者に一方的に不利益な条項
- 1. 損害賠償責任や瑕疵担保責任を完全に免除する条項
- 2. 損害賠償の予定額を定める条項
- 3. 解除に伴う損害賠償の予定が当該事業者に生ずべき平均的な損害額を超えるもの
- 4. 金銭支払期日経過による遅延損害金の予定が年14.6%を超えるもの
- 5. 信義則に反して消費者の利益を一方的に害する条項
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