公金支出の不正追及にはどんな方法がありますか
行政訴訟・住民訴訟
Q.公金支出に不正があると思われます。不正の追及にはどんな方法がありますか?
A.公金の支出に不正があった場合、住民監査請求を行ってその不正を追及することができます。この住民監査請求は、地方自治体の長や職員の違法・不当な行為により地方自治体に損害が出たり、損害の出るおそれがある場合、住民が監査委員に対し、損害の回復あるいは防止するための措置を請求する制度です(地方自治法242条1項)。
例えば、新聞報道で談合などの事実を知った場合や情報公開請求をして公金の不正支出を知った場合に、違法・不当な行為の是正を求めて住民監査請求を行うケースが多くあります。請求の内容としては、「公金の不正支出により自治体に損害が発生したので関係職員に対し損害を補填させるなどの措置を求める」という請求を行うことになります。
住民監査請求には、請求のできる期間に制限があります(地方自治法242条2項)。当該違法不当な行為(「財務会計行為」といいます)があってから1年以内に請求できるのが原則です。財務会計行為があってから1年を過ぎている場合は、通常の人であれば事実を知りうる時から2カ月以内には住民監査請求する必要があります。この場合には財務会計行為があってから1年以内には知りえなかったことに「正当理由」が必要です。
最高裁判所は近年、請求の門戸を拡げ、行政機関が職員や第三者に対し損害賠償請求が可能であるのに請求をしていない事実(「怠る事実」といいます)がある場合には、住民監査請求期間の期間制限には服しないとしました。また、1年以内に財務会計行為を知ることができなかった理由としては、特にその違法不当な行為が秘密裏に行われたという事情は必要ではなく、通常の人であれば知ることができなかった事情で足りるとしました。
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