裁判員裁判の意義や概要
刑事事件等
Q.裁判員裁判が実施されていますが、この制度の意義や概要は…?
A.
裁判員裁判の導入
平成16年5月に「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」(裁判員法)が成立し、平成21年5月から一般国民の中から選ばれた裁判員が、裁判官とともに一定の重大な犯罪に関する裁判を行うという「裁判員裁判」が実施されています。これは、従前の職業(キャリア)裁判官による刑事裁判の硬直化を打破し、司法への国民参加を通じて、裁判に対する国民の信頼を高めることを目的とするものです(裁判員法1条)。
裁判員裁判の対象となる事件
裁判員裁判の対象となる事件は、(1)法定刑が死刑または無期懲役もしくは禁固にあたる事件と、(2)法定合議事件のうち、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件とされています。(1)は殺人、強盗致傷、現住建造物放火など、(2)は傷害致死、自動車危険運転致死、保護責任者遺棄致死などです。
裁判官3人と裁判員6人による合議体が原則で、例外的に裁判官1人、裁判員4人による合議体があります。裁判の途中で審理に加わることのできなくなった裁判員に代わって参加する補充裁判員も通常置かれます。
裁判員の関与する判断は、1.事実認定、2.法令の適用、3.刑の量定について行われます。法令の解釈や訴訟手続に関する判断は裁判官のみが行います。裁判員は、その関与する判断に必要な事項については、証人や被告人に質問することができ、評議にあたっては裁判官と同等の立場で参加します。評決については、基本的には単純過半数で決せられますが、被告人に不利益な判断については、裁判官または裁判員だけの多数ではできないことになっています(裁判員法67条)。
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