犯罪被害者から相談を受けています
刑事事件等
Q.犯罪被害者から相談を受けています。どのように接してアドバイスすればいいのでしょう?
A.犯罪被害者あるいはその遺族から相談を受けた場合には、まず被害者の心理に配慮した態度(犯罪被害者への理解と共感)をもって応対することが大切です。犯罪被害者は、怪我をする、性的被害に遭うといった犯罪そのものによる直接的な被害だけでなく、被害後に不安や恐怖を感じたり、自責の念を抱いたり、周囲に不信感をもったり、混乱して感情コントロールがうまくできなくなるなど、さまざまな苦しみに直面しています。こうした被害者の受ける精神的被害は、当事者でなければわからないところがあり、結果的に周囲の人々の態度がさらに傷つけることもあるので、こうした二次被害を避けるようにしなければなりません。
犯罪被害者やその遺族との相談に際しては、次のような点に配慮します。
- (1) 被害者の話をじっくりと時間をかけて聞くという基本姿勢が大切です。被害者は、まず自分の話を聞いてもらい、自分の立場や気持ちを十分理解してほしいと思っているからです。
- (2) 罪悪感を助長しないことです。「もし、あのときこうしていたらよかったのに」「どうして、そうしなかったのか」などの言い方はよくありません。
- (3) 被害者を比較することは避けるべきです。「命が助かってよかった」「他にも同じような人はいる」「もっとひどい人もいるから、あなたはまだまし」などと言うべきでありません。
- (4) 安易な共感や励ますはかえって反感を買うことになります。「お気持ちはよく分かります」「大丈夫、よくなりますよ」「早く忘れることです」「早く元気を出してください」などは避けるべきです。
単独で相談に乗り続けるのではなく、できるだけ犯罪被害者の抱えた問題に詳しい弁護士などの専門家、専門機関に連絡をとり、連携することが重要です。被害者の権利は、ようやく法的な整備がされてきましたが、二次被害を生まないようにするためには、相談を受けた際は、これらを常に念頭においてアドバイスしてください。
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