2023年4月より1年の任期で日弁連クオータ女性理事を務めました。日弁連では男女共同参画を進めるため、2021年度より理事の定員を4名増やし、女性に優先的に割り当てるクオータ制を導入しており、2023年度の女性理事の割合は25.33%でした。女性弁護士の割合が20%に届かない中、それなりの達成率だと思います。
日弁連理事の主要な任務は、毎月2日連続で開催される理事会に出席し、執行部が提案する議題を審議することです。理事会の大量の資料は、開催の数日前に事務所に送られてきます。こちらも2日間事務所を留守にするわけですから、依頼事件の対応もしておかねばなりません。業務の合間に主だった資料に目を通し、残りは東京に向かう早朝の新幹線の中で読み込んでいました。
理事会は霞ヶ関にある弁護士会館内の巨大な会議室で行われます。事務方も含め出席者は約100名、壮観です。理事の多くは、各地方の弁護士会の会長が兼務していますので、理事会では各地方の実情に基づいた様々な意見が出ます。それを聞いているだけでも非常に勉強になりました。
2023年度に日弁連が特に力を入れていたのが再審法改正です。理事会時には再審法改正の本部会議も毎回開催され、国会議員への一斉要請にも2度取り組みました。また、弁護士会としての取組が遅れていたハラスメントの問題も度々議題にあがっており、私も積極的に意見を言うようにしていました。1日目の理事会の後には、公式あるいは非公式に懇親会が開催されます。こちらにも積極的に参加して各地の理事達と交流し、情報交換をしていました。
過ぎてしまえば1年という任期はあっという間でしたが、得がたい経験をすることができました。
「まきえや」2024年秋号