脱米軍基地の声を広げよう!~沖縄米軍基地視察旅行に参加して~
当事務所からは、数名の弁護士・事務局が京都憲法会議の事務局に参加し、憲法を活かしまもるための活動を行っています。私も憲法について学び、活動したいという思いから、昨秋から憲法会議の活動に参画しています。
改憲への動きが活発化している現在、オスプレイ配備と基地移転問題に揺れる沖縄の現状を知り、平和憲法とは何かをあらためて考えるため、憲法会議事務局メンバーを中心とした有志で沖縄へ行って来ました。初めて見る沖縄の美しい海と空に感動するとともに、米軍基地問題の切実さを知った旅でした。
現地では、アメラジアンスクールで講師をされている方のガイドで、嘉数展望台や糸数アブチラガマ、平和祈念資料館等などの沖縄戦跡をめぐりました。なかでも、嘉数展望台からは、オスプレイが駐機している普天間基地と住宅地を一望することができました(写真)。危険な欠陥機オスプレイが住宅地のすぐ側で離着陸を繰り返し、住民の命を脅かしている様を見て、沖縄戦での惨劇が現在まで尾を引く基地問題の発端であることを再認識しました。
また、最終日には、近くオスプレイが配備される予定になっている嘉手納基地の側の丘(通称「安保の見える丘」)に登り、基地の様子を観察しました。間近に迫る戦闘機とその離発着の轟音に、私がこれまで思い描いていた、平和憲法を掲げ、戦争とは無縁な国という日本のイメージは虚像であったと感じました。
そして、嘉手納町議の方にお話を伺い、米軍が、沖縄をまるで我が領土であるかのように居座っていること、そうでありながら、沖縄の自然や住民に対し米国本土では許されないような粗雑な扱い方をしていることを知り、憤りを感じました。日本の国民皆がこの事実を知れば、「日本は米軍に護られているのだから、仕方がない」というような無責任な意見が幅をきかせることもないのではないでしょうか。
沖縄には、美しい自然があり、東南アジア諸国と本土との輸送の中継地点にもなり得るという地理的な要素があることから、基地無くしても十分に発展の道はあるはずです。沖縄の可能性を台無しにしている米軍基地をこのままにしておくことはできません。
私にとって印象的だったのは、ツアーバスの運転手の方が、「基地は原発と同じですよ」と仰っていたことです。基地が住民や環境を脅かすものであること、地域住民の間に亀裂を生じさせていること、これらが全体のための必要な犠牲であるかのように扱われているということが、この言葉に端的に表れていると思います。今、日本各地で脱原発の声が高まっているのと同様に、脱米軍基地の声も広がることを願い、報告させて頂きました。