相続税が変わります
2013年税制改正により、相続税の基礎控除に大きな変更があり、相続税率にも変更があります。以下、その内容をご紹介します。
基礎控除とは
そもそも相続税は遺産の総額に対して課税されるものではありません。遺産の総額から一定額を差し引いた残額にだけ課税されます。この差し引かれる一定額を基礎控除といいます。基礎控除には定額控除と法定相続人の数に応じて引かれる控除の二種類があります。法定相続人というのは民法に定められた相続人のことです。今回の税制改正により基礎控除のいずれも引き下げられます。具体例に照らしてその影響を考えてみます。
具体的なケースに照らすと
例えば、亡くなられた方の遺産が、不動産(評価額4,000万円)、預貯金や株などの金融資産2,000万円として、計6,000万円であったケースについて考えます。
改正前は、表①のとおり、亡くなられた方の遺産のうち、5,000万円が定額控除されます。したがって、単独相続をする場合であってもさらに1,000万円が控除されますので課税対象となる遺産はありませんので、納税の必要はありません。
今回、この定額控除が3,000万円まで引き下げられ、また相続人の人数に応じた控除額も引き下げられました。そのため、法定相続人が5人以上いるケースでない限り、課税対象となる遺産が残り、納税の必要性があります。
改正後は3,600万円以上の遺産の場合は課税の可能性がありますので、相続税に関心を向けなければならないケースは相当数増えるものと思われます。
税率と税額はどうなる
今回の改正では税率にも変更がありましたが、法定相続分を基準として2億円を超える方が対象となりますので、ほとんどの方には影響がありません。
また、税率と税額については以下の速算表(表②)を参考にしてください。
いつから改正後の税制が適用されるのか
改正後の税制は、2015年1月1日以降に発生した相続について適用されます。相続の発生は死亡時ですから、2015年1月1日より前に亡くなられた方の相続税は、申告する時期に関わらず、これまで通りとなります。
相続に伴う資産の調査や各手続は煩雑となることもありますので、当事務所までご相談ください。当事務所と顧問関係にある税理士事務所と協力しながら、遺産調査、分割協議書作成、納税までサポートします。