国会を独占し、憲法を改正する「比例定数削減」に反対しましょう
「比例削減」問題とは、民主党のマニフェスト(2010年版)の「政治改革」の項目に「参議院の定数を40程度削減します。衆議院は比例定数を80削減します」と掲げられている重大な問題です。
民主党は、これを「お金のかからない政治」を目指すものと言っていますが、とんでもない意図が隠されています。それは「二大政党」に反対する少数政党を国会から排除する意図です。さらには、国会で絶対多数派を形成し、民主主義を選挙制度によって改悪し、果ては憲法9条まで変えてしまおうとしているのです。
そのような意図を持っている証拠に、まず「比例部分」を削ることを主眼においていることが挙げられます。比例部分は、選挙制度の中でも最も民主的な制度で、民意の割合を反映します。これを削るのは、民主主義の削減です。
比例部分を削減すると、必然的に小選挙区部分の割合が大きくなります。ところが、小選挙区制は、1人しか当選しない制度です。選挙において他よりもわずか1票でも多く票を得れば、その1人のみが当選となりますので、少数政党の候補者が当選する可能性ははじめから制度上排除されているのです。そうすると国会議員は二大政党にほとんど占められることになります。
次に、そのようにして、二大政党の国会議員が全体の3分の2を越える多数をとることになれば二大政党が一致して目指す「憲法改正」とりわけ憲法9条の「改正」がやり易くなることが挙げられます。自民党と民主党は改憲を目指しています。
比例を削減してまで国会議員の大多数を占めようとする意図は、憲法96条の改憲の発議に必要な3分の2条項をクリアしようとする以外には考えられません。これは選挙制度を歪めることにより改憲を目指すインチキなやりかたです。
私たちは、民主党の選挙制度の改悪による二大政党作り、国民の意見の切り捨てを許しません。