消費者契約法 消費者の強力な味方
消費者に強力な味方ついに登場!
2001年4月1日から消費者契約法が施行されました。この法律は、消費を保護する目的で作られました。その特徴は、(1)契約を取り消すことができる場合が広がったこと、(2)契約内容のうち事業者が責任を免れる条項や、消費者を一方的に害する条項が無効となる、という2つの大きな柱から成り立っています。
取消ができる場合
消費者契約法は、契約を取り消すことができる場合を4つ列挙しています。
- 事業者が勧誘する際に、重要事項について事実と異なることを言った場合
- 価値や価格が将来変動する商品について、変動が不確実な事項について断定的判断を提供した場合
- 重要事項について利益を告げかつ不利益を告げなかった場合で消費者が不利益はないと誤認した場合
- 消費者が退去を求めたのに事業者が帰らず、消費者が帰りたいと申し出たのに帰らせてくれず、消費者が困惑して契約した場合
右のような状況でなされた契約は取り消すことができます。取り消すというのは、その意思表示を相手の事業者に通知することによって契約は初めからなかったものとなることです。
取り消しの方法は、電話などで「取り消す!」と言っただけでも有効ですが、言った言わないの争いを避けるためには必ず文書で行ってください。内容証明郵便で送るのが一番確実ですが普通の手紙やはがきでも結構です。ただし、コピーを取っておいてください。
ただし取り消しは、追認することができるときから6ヶ月以内にする、つまり、「これはおかしいぞ」と気がついたときから6ヶ月です。気がついたらいち早く法律事務所に来て相談して通知を出しましょう。また、契約から5年経った場合は気がつかなくても取り消しはできなくなります。
無効と言える場合
消費者契約法は、契約の一部の条項は無効であると規定しています。
- 事業者の債務不履行により消費者に損害が生じた場合で、事業者の責任の全部又は一部を免除する条項
- 事業者の契約遂行上、故意又は過失により消費者に損害が生じた場合に、事業者の責任の全部又は一部を免除する条項
- 目的物に隠れたる瑕疵がある場合に、事業者の責任を免除する条項
- 違約金の定めや損害賠償の予定額についての定めがある場合に、これらの額の合計額が平均的に生じる損害の額を超える部分
- 分割払い契約の場合で、支払いが滞った時、遅延損害金が年14.6パーセントを超える部分
これらは無効ですのでもともと効力はなかったと判定されるのです。従って、特に「無効である」との意思表示はいりません。
これまでは泣き寝入りしていた?
これまでは、「まちがいなく儲かります」(証券取引など)「絶対やせます」(エステや健康食品)「この家は頑丈にできています。日当たりも良いです」(不動産売買)など重要事項について虚偽の事実が含まれていたり、「いったんお支払いされた金員はいかなる理由があっても返しません」(他大学に払った入学金や会費)「お客様からは解除できません」「敷金は、畳を替えたりするし、壁が汚れているので返せません」(部屋退去時)など不当な条項で消費者は縛られてきました。しかし、これらが不当であることは、法律がなくても当然であり、民法やその他の一般法で解決がなされてきました。しかし、正面きって事業者を追及する法律がなかったため、これまで多くは泣き寝入りして来たのではないかと思います。今後はこの法律が消費者に行き渡れば、不当な契約から救済されます。大いに活用しましょう。