京都第一

所属弁護士 PICK UP② 人の話を聞くのが好き カウンセラーみたいな一面も

弁護士を目指したきっかけは?

私が子どもの頃、京都の大手メーカーで働いていた父の同僚が亡くなりました。私も幼いときからお世話になった方だったのですが、不当な人事異動が原因でした。労働組合の一員だった父から、「労災認定」を得るために弁護士さんに尽力して貰っていると聞き、その事件記録も読みました。子どもながらに「自分も困っている人の役に立ちたい」と思うようになりました。この事件の担当弁護士が京都第一法律事務所の故・村井豊明弁護士でした。

京都学園高校を卒業した後、同志社大学法学部に進学。一時は一般企業に就職する道も考えましたが、4年次に一念発起して司法試験の予備校へ。京都大学のロースクールにも通い、猛勉強を続けて司法試験に合格しました。

弁護士の資格を得て、すぐに門戸をたたいたのが、京都第一法律事務所でした。指導担当弁護士は、なんと、あの村井豊明弁護士。村井弁護士と共に過労死事件や薬害肝炎事件などに力を入れて取り組んできました。

もともと私は人の話を聞くのが好きですが、弁護士の仕事はカウンセラーのような一面があると感じています。出会った時は悩んで苦しそうな顔をしていた人が、相談や事件が終わったら、ほっとした表情や笑顔を見せてくれる。そんな笑顔に出会えるのが私の生きがいであり、幸せです。

忘れられない、あの裁判
亡くなった男性の家族を支えた「労災認定」

2012年1月17日 毎日新聞

2011年、京都市内の建築会社に勤めていたある男性が自殺し、妻と幼い子ども2人が遺されました。会社側は責任を認めず、弁護士1年目の私は村井弁護士とともに証拠保全手続き等を行い、長時間労働やパワハラの実態を証明。「労災」と認められ、遺された家族が経済的に困窮することは避けられました。配偶者の方からは定期的に感謝の手紙が届きます。誰かの役に立つことが出来た喜びをひしひしと感じることができ、その手紙を読む度に、弁護士になって良かったなと思います。

これからの目標は?
「もつれた人間関係を解きほぐす。AIにはできない仕事がある」

2024年3月まで京都弁護士会の副会長を務め、主に弁護士会の人事関係を担当しました。近年は、同世代の方からの相談が増え、相続・遺産分割や離婚等の家事事件を取り扱う事が多くなりました。この種の事件は、申立人と相手方の双方ともに一定の権利を有していて細かい調整を求められることが多いです。そのため、依頼者様の要望を出来るだけかなえつつ、一定の時間をかけて、もつれあった人間関係や争点を少しづつ解きほぐしていく作業が求められます。AIには決してできないこの仕事に弁護士としてのやりがいを感じています。

[My Favorite] 「愛犬と散歩するのが好き」
動物が好きで、柴犬(黒の豆柴)と一緒に暮らしています。毎日、御所や鴨川に散歩に行っています。とても可愛くて癒やされています。最近はペットの飼い主さんからのご相談も増えてきました。