京都第一

所属弁護士 PICK UP① 日常に近い法律「民法」が好き 労働者の権利を守る弁護士として

弁護士を目指したきっかけは?

弁護士の仕事を知ったのは小学生の頃。暮らしの中のトラブルを笑いの中で解決するNHKの『バラエティ生活笑百科』で法律的な「ものの考え方」を知りました。

そして小中学校のときに、教師の暴力に悩まされたことも「弁護士になろう」と決めたきっかけの一つでした。生徒会長を務めた高校時代は、教員やPTAと協力して、日の丸掲揚と国歌斉唱にこだわる校長を学校から追い出す成果を勝ち取りました。

就職氷河期で大企業に入る道はイメージできず、大学4年生のとき、弁護士になると決めて勉強を始め、卒業後2年で司法試験に合格しました。千葉出身でありながら京都の事務所を選んだのは、電車のラッシュや人混みにもまれる機会の多い東京勤務を抜け出したいと思ったから。歴史が深くアクセスの良さがちょうどいいと思い、京都を選びました。

初期からホームページで情報発信をしていたことが印象的だった京都第一法律事務所の門戸をたたき、これまで労働・雇用問題を多く担当してきました。弁護士の仕事は身の危険を感じることもあります。京都で最も規模の大きい事務所であることは、働きやすさを確保する意味でも大切です。

基本六法のうち、私は市民に一番近い法律である「民法」が好きです。いつも、労働者の権利を守るために、原則に立ち返るプロセスを大切にしています。

忘れられない、あの裁判
残業代計算ソフトの開発につながった苦い事件

残業代計算ソフト「給与第一」

2008年、有名なちゃんこ鍋店で働いていた多数の従業員の方たちが残業代の支払を請求したところ、労働時間が改ざんされ訴訟に発展。賃金不払いの悪質性に重点を置いて立証を行い、多額の未払い残業代の支払を命じる判決が出されました。しかし結局、会社は破産、残業代は支払われず。新人の頃の苦い経験でした。これを機に、私は残業代計算ソフト「給与第一」を開発し、労働事件を多く担当するきっかけになりました。

これからの目標は?
「個人の力には限界がある。社会問題化しうねりを起こす」

残業代の請求や労働災害など労働裁判を中心に闘ってきました。世相が厳しくなる中、従業員の解雇や賃金未払いなどの事例が増えていますが、個人の力には限界があります。たくさんの人が力を合わせて社会問題化し、制度を変えていける大規模な裁判に寄与したい。そのためにSNSでの発信にも力を入れていて、Xのフォロワーは7.2万人います。

[My Favorite] 「オセロ」
たった64マスで構成されるオセロはシンプルながら奥深いゲーム。短時間のうちにものすごく頭を使っていろんなことを考えます。今、初段を目指しています。小学生の息子と対戦する時間も楽しみの一つです。