京都の歴史的価値の保存のために
昨年、事務所の皆さんと一緒に、下鴨神社の参道近くにある旧三井家下鴨別邸を訪れました。今は、重要文化財として京都市の管理にありますが、私たち法律家にとっては、お隣にある京都家庭裁判所の所長官舎として長らく使われてきた建物として身近な存在でした。2007年、家裁所長官舎としての役目を終えて用途廃止がされる際、旧京都地裁所長官舎(有栖川宮旧邸・現平安女学院大学有栖館)とともに、京都弁護士会として、その建築物の歴史的価値を評価し、安易な払い下げをせずに保存するよう意見書を発出しました。現在は、いずれの建物も修復されてその歴史的価値が維持されており、10数年経って、弁護士会の果たした役割を実感することができました。
全ての人がありのままに生きられる社会を
日本初の女性弁護士をモデルにしたNHKの朝ドラを楽しく観ています。昔はこんなにも女性が差別されていたことに驚かれるかもしれませんが、私も司法試験受験中、「今年受からなかったら結婚しなさい」と親戚から言われました。ほんの20数年前の話です。「普通は…」と言われて、社会の当たり前を押しつけられることが何よりも嫌いでした。
先日は、京都レインボープライド2024のフェスに弁護士会として参加して、相談をお聞きしたり、LGBTQ+(性的マイノリティ)の当事者や支援者(アライ)の方達とともに、パレードで2時間歩いて来ました。性別に限らず、社会の「当たり前」で、権利を区別したり、生き方を押しつけるのではなく、誰もが自分らしく生きられる社会になりますように。
高すぎる小1の壁
3月下旬の学童説明会で4月3日開所と言われ「1日と2日の仕事どうすれば」と愕然としました。さらに、給食開始は4月19日。朝早く起きて弁当を作る毎日は苦行でした。
保育園の友達がいない学校ですが、娘は幸い入学式当日に友達が出来たようです。が、翌日から「学童友達おらんし先生とも話さんし1人ウロウロするだけ」と学童拒否が始まりました。3日目には集団登校時に母から離れず、担任の先生に渡す時は大泣きでした。学童の先生に声掛けをお願いしてからは少し落ち着きましたが、まだまだ気がかりです。
1人1人の子に寄り添い支えてくれた保育園の有り難みを痛感しつつ、これも自立に向けた必要なステップだと考え、親子で乗り越えたいです。
コミュニティカフェの運営
とある事件を通じて知り合った方がオーナーをされているコミュニティカフェの運営に関わっています。空き家となった築100年ほどの長屋の1階を活用しています。建築を学ぶ大学院生が設計して建物を改修、小さなお庭は本業の庭師の方が整備をしてくれました。オーナーの人柄がいろんな立場の人たちをつなげています。コミュニティカフェでは、オーナーが週3日だけ営業するカフェ、まちライブラリー(私設の図書室)、子どもの向けの自習室(無料塾)、高齢者向けの健康体操、地域の歴史を研究するサークルや大学生サークルの会合などが行われています。こうした公共的な空間を作ることの面白さを感じています。
海軍の街・呉で、歴史描写に思いを馳せる
春先に広島県呉市へ行く機会があり、町の歴史を知るべく「入船山記念館」と「大和ミュージアム」を訪れました。
それまで漁師が8割を占めていた漁村の町が、1886年に軍港建設の地に選ばれたことで一変し、以来、軍事拡張とともに海軍の町として近代化してきた歴史が記録されていました。大和ミュージアムの基本方針には、「平和の大切さを未来に伝える」という教育的見地も謳われています。しかし実際の展示は、当時の造船技術のすばらしさや海戦における戦艦の活躍などが礼賛的に描かれていたように思います。ファミリー層の来館者も多く、果たして子どもたちが平和の尊さを実感する場となっているのだろうかと悶々としつつ、また訪れたい不思議な魅力のある町でした。
歩く遍路
御依頼の事件や御相談で毎日忙しく働いておりますが、体調保持のためにウオーキングをしています。そのモチベーションを持続するための必須アイテムが、山佐時計計器株式会社の「ゲームポケット万歩 歩く遍路」(生産終了)です。四国遍路を1周1200キロに設定し、バーチャルに四国を表示して、自分が四国や各県のどこにいるのか、全体及び各県での到達度、次の寺名と到達に必要な歩数とキロ数、要所要所でのメッセージやイラストが示される優れ物です。今は22周目に入り、10年余をかけて地球一周の65.5%を歩いたことになります。同社からは、7~8年かけて日本地図を完成させるという壮大な「令和の伊能忠敬」が販売されています。
日弁連クオータ女性理事を終えて
2023年4月から日弁連のクオータ女性理事を務めていましたが、この3月、1年の任期を終えました。毎月の理事会では、司法をめぐる様々な課題について議論が交わされており、そうした場に参加できたことは得がたい経験でした。とはいえ、まだまだ司法界には女性が少なく、男女平等や女性の権利に関する取組は遅れています。また、日弁連理事会は東京での現地参加が求められ、リモート参加は例外的にしか認められないため、家族的責任を担う弁護士が理事を務めるのは大変です。そこで、女性理事一同で改善を提言する意見書をまとめ、2月の理事会後に会長に提出しました。黙っていては何も変わらない、これからも声をあげ続けていこう、と思っています。
弁護士会の副会長を無事に終えました
おかげさまで、3月31日をもって京都弁護士会副会長の任期1年を無事に終えました。副会長在任中は事務所にいないことが多く、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。ただ、副会長として培った経験が自分を大きく成長させてくれたと思います。この経験を活かして、また皆様のお役に立てるよう頑張ってまいりたいと思います。
4月からは通常の弁護士業務に戻り、最近は特に相続・遺産分割事件、離婚事件、交通事故事件のご紹介を受けることがかなり増えてきました。薬害C型肝炎・B型肝炎等の社会的な事件にも継続して取り組んでいます。
依頼者や相談者の方々の力になれるよう、今年の夏も全力で仕事に邁進していきたいと思います。
忘れてはならないこと
1月1日、配偶者の実家である石川県七尾市に滞在していた私たちを大地震が襲います。鳴り響く緊急地震速報と強くなり続ける揺れの中、床に座っていることさえできずただ子どもたちを抱えて耐えるばかり。奇跡的に全員ケガもなく、大津波警報の発令を受け、とにかく海岸とは反対方向へ逃げました。同警報の解除後に帰宅しましたが、道路には段差・割れ目・土砂崩れ・通行止めなどがあり、真っ暗な中で、時折の緊急地震速報に怯えながらの道中でした。
3.11の教訓は私たちの中に生きています。能登地震や東日本大震災の記事を読むとフラッシュバックして辛いけれど、それでも目にしたものは全て読んでいます。これからも決して忘れないために。
桜の季節は一瞬に
毎年桜スポットでお花見したいと心に思いながら、3月に入ると急に暖かくなり、気が付いたら桜が咲き始め、あっという間に散ってしまう。毎年なかなかお花見計画を立てれず終わってしまいます。今年こそは!と思い、早めに背割の桜並木を見に行く計画を立てました。これでバッチリと思っていたのですが、なんと今年は急に寒くなり、開花が足踏みに。お花見を予定した日にはまったく咲いておらず、早めに桜が咲いてそうな、奈良吉野山に変更しましたが、それでも5分咲き。結局、今年の桜を堪能できたのは、仕事中に通りかかった、地方裁判所前に咲いている桜並木と家庭裁判所に向かう途中の鴨川沿いの桜でした。そんな気まぐれな桜に一喜一憂するのも、また風情かな。
主権者としての目を養おう
今年は5年に1回の年金財政の検証がある。そこで年金掛け金の納付期間の5年延長が決められそうである。しかし、年金支給額は、むしろさらに減額されようとしている。それでも、フランスで起きたような暴動等が我が国で起きないのは、政府からの「少子高齢化のためやむを得ない」との宣伝が浸透しているのであろう。実際は、年金財政の収入と支出はほぼ均衡しており、何より、積立金は250兆円を超えている。これらは現在の受給世代が長年にわたって納付してできたものであり、これを受給世代のため使うべきであろう。他方で、政府は財政危機を口実にさらに消費税の増税を狙っている。残念ながら、我が国の為政者は、封建時代と同様、「寄らしむべし、知らしむべからず」を未だに旨としている。
城崎温泉に行ってきました
京都には桜の名所が多いこともあり、「春になると桜を見に行こう!」と思っていたのですが、いつの間にか咲いて、いつの間にか散ってしまいました。東寺の夜桜を楽しみにしていたのですが、見に行くことができず残念です。
代わりといってはなんですが、城崎温泉に行ってきました。当日は雨が降っていましたが、たくさんの観光客で賑わっていました。日帰りだったので時間は限られていましたが、温泉街を歩き回り5つくらいの温泉を巡りました。どの温泉も個性的で、露天風呂から、外の景色を眺めることで、日々の疲れを癒すことができました。これからも色々なところへ旅行したいと思っています。
最西端の島を訪れて
ドクター・コトーの映画・ドラマの聖地と言うべき与那国島に行ってきた。診療所の建物は、そのまま残り、その向こうには、白い砂浜とコバルトブルーの海が広がっていた。残念なことは、この素晴らしい聖地を訪れる人は少なく、ホテルも閉鎖されたままだ。他方、時の為政者が喧噪する「台湾有事」に振り回され、自衛隊基地が作られ、肥大化の一途をたどっている。ミサイルの配備も進み、島ごと要塞にする計画がどんどん進められている。映画で見た美しい自然がつぎつぎと失われていきかねない。
そして、この小さな平和な島は、自衛隊基地やミサイルでは絶対に守れない。逆に、そのことを口実に戦争に巻き込まれたらひとたまりもない。いつまでもドクター・コトーの聖地として、平和な島であってほしい。
弁護士自身が原告になる訴訟
今年の1月にネット求職求人サイト「バイトル」(ディップ社が運営)を悪用した業務妨害に遭いました。不明の第三者が私の業務用のメールアドレスや事務所の電話番号を用いて、私の名前で勝手に数百件のアルバイト求人への応募をしたのです。事務所にディップ社顧客企業から150件近い面接の日程調整の電話があり、メアドに2000件以上の問い合わせが来ました。簡単に悪用されて大きな被害が生じるのに、従前からあった同種の被害を放置してきたディップ社のシステムの問題も大きいため、他の弁護士と一緒に同社に慰謝料請求の訴訟を提起しました。弁護士でも自分が原告となる訴訟は稀です。しっかり権利主張したいと思います。
3月に3回目・45年ぶりに、与那国島を訪れました
高校生の時(1回目)、大学生の時(2回目)に船(大阪から本島まで、本島から石垣島までも船でした)で来たときは、1泊3食付で1,000円の民宿に滞在しました。夜にうごめく青いやしがに、与那国馬の小さいこと、台湾の眺望(見えませんでしたが)、大綱引きの賑やかなお祭り、60度の渡難(泡盛)でひっくり返ったことなど断片的な記憶しか残っていませんが、まさに「桃源郷」のイメージの「国境の島」。それが軍事基地の最前線となるのは許せません。映画「戦雲」も必見。ここのところ、開発・環境・景観問題がまた風雲急を告げています。世界遺産仁和寺門前と相国寺北の「高級」ホテル問題、松ヶ崎かんぽ跡地巨大マンション問題、そして新たに巨大給食センターのための東吉祥院公園廃止の取消訴訟も始まりました。最近のおすすめ映画は、「コット はじまりの夏」です。
豊かな自然文化の与那国・石垣島・宮古島を旅して
「自衛隊配備の実態調査」に行ってきました。与那国では「長命草の白和え」に舌鼓を打ち、海の青さに心惹かれました。友人に石垣に行ってきたというと「リフレッシュできた?」と聞かれ、返答に困りました。これらの島々は本来リフレッシュの場所。しかし、これらの島では自衛隊・ミサイル配備が急速に進んでいます。調査を経て、急速な軍事基地拡大の姿に衝撃を受けました。「抑止力」というより、その光景は「戦争を誘発・挑発するもの」としか私の目には映りません。平和な生活をおびやかすものの正体は「防衛費(軍事費)、軍備を異常に増強している政治」ではないかと実感しました。軍備ではなく、外交努力で戦争を回避し、平和を守りたいものです。
久しぶりに将棋を指しました
京都弁護士会と自治体で協力して法律相談を実施しています。先日、その法律相談に出かけたところ、法律相談先の建物の一室で将棋教室を開催していました。法律相談終了後、立ち寄り、教室に参加していた方と対戦しました。人と将棋盤を挟んで向き合い将棋を指すことはとても久しぶりでした。当然、初対面の方でしたが、相手の顔色見ながら将棋を指すとインターネット対戦とは全く違った新鮮な気持ちになりました。
2024年4月10日日米首脳会談が行われ、「米軍と自衛隊の相互運用強化」が宣言され、自衛隊が米軍の先制攻撃に協力するための準備が進められています。趣味も楽しみながら、日本国憲法の学習会も引き続きがんばろうと思います。
皆怒る、身辺調査?「何じゃ?こりゃ!?」
支持率1割台の岸田政権が「経済秘密保護法」を国会で押し通しました。この法律は、「重要経済安保情報」と政府が認めた情報を秘密指定し、この秘密を預かることになる人物に身辺調査を行い、不適切と認めるとその秘密を扱う仕事から排除する、という仕組になっています。これにより多くの民間企業の労働者に不利益が生じます。私の子どもは宇宙関連事業に就職する夢を抱いていますが、身辺調査の際に「私の父は自由法曹団所属の弁護士で、政府批判の街頭宣伝をよくしています。」と答えると、「君に任せられる仕事はない。解雇する。」という憂き目にあう可能性があります。隠せばバレた時点でお咎めでしょう。経済秘密保護法に怒りの反対の声を上げています。
[新人弁護士紹介] 金融機関勤めを経て、弁護士に
初めまして。2024年1月より京都第一法律事務所に入所した前田修平です。和歌山県出身で、地元にある小中高を経て大学を卒業し、金融機関に就職しました。恥ずかしながら、会社員をして初めて知ったことがあります。それは、多くの人にとって、人生の相当な時間が「働く」ということに費やされていること。そして、そのような大切な時間であるにもかかわらず、労働問題で苦しんでいる人が少なくないことでした。私自身も、このまま会社員を続けて良いのかを悩んだあげく、周囲の人の助言もあって、弁護士になることを決意し、退職しました。
幸運にも弁護士になることができましたが、上記の経緯もあり、労働問題に強い弁護士になりたいと考えていました。そうであるところ、京都第一法律事務所が、様々な労働問題を取り扱っていることを知り、また、実際に在籍する弁護士とお話しする中で、その強くも優しい人柄に魅せられ、入所を決意しました。
入所して約半年が経ちました。多くの不当解雇やパワーハラスメントの事件を担当させていただいております。依頼者の方が労働紛争から解放され、次のステップを歩む一助となれるよう努力を続けていく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。