京都第一

[ダイイチNEWS 03] 北山エリア 巨大アリーナ建設断念 ー 植物園は守られた ー

北山エリア開発問題とは

計画案の概要は、世界でも貴重な植物の博物館としての植物園の役割を大きく破壊するような計画(ウバメガシの垣根を取払い、カフェなど商業施設建設、植物園に人を誘導する、バックヤードの縮小、移転など)、府立大学内に1万人収容規模の巨大商業アリーナ建設、資料館跡にシアターコンプレックスやホテルなどの商業施設の計画などです。

京都府知事は、3月府議会で「アリーナを北山・府立大学体育館につくることを断念する」趣旨を表明。これは、「北山エリアの将来を考える会」「京都府立植物園整備計画の見直しを求める会」(通称「なからぎの森の会」)の皆さんを中心とする住民運動の大きな成果です。わが事務所も現地を訪ね、植物園の役割なども学びながら、運動に参加してきました。

破壊される可能性のあった景色

京都市の北部は、植物園や府立大学のある静閑な文教地区です。京都府は、旧総合資料館の跡地利用が課題となる中、旧総合資料館跡地、府立植物園、府立大学地域一帯を「北山エリア」と名付け、営利目的の開発をねらってきました。2020年12月、突然「北山エリア整備基本計画」を京都府議会に提出公表しました。

住民の取組・運動

住民は、計画案を早々にキャッチし「植物園が都市公園にされる、豊かな自然・景観、生活環境、教育環境を守ろう」と計画の見直しを求める運動を開始。府市民、全国、世界に向けて北山門での128回にもわたる宣伝、署名集めなど取り組んできました。

その後、会は、府に度重なる要請や交渉をし、説明会を開かせ、短期間で16万名強の署名が集めるなど旺盛に取組を重ね、植物園の整備については、当初案を大幅是正させました。そして、この度、府立大学体育館巨大アリーナ計画について「断念」させたのです。

残された課題

府は、北山エリアでの巨大アリーナ建設は断念しましたが、賑わいと儲けの場所にする商業化の狙い(旧資料館跡地付近にホテル建設・シアターコンプレックス建設、植物園を単なる公園にしようとする動きなど)は消えていません。資料館跡の暫定利用や最終活用について、京都府・市の動きを引き続き監視していく必要があります。