京都第一

京都大学による「タテカン」撤去をめぐる闘い 〜裁判闘争へ〜

1 京都大学による「タテカン」の強制撤去、京都地裁への訴訟提起

京大職員組合は1960年頃から京大キャンパス内外に立看板等の表示物(以下、「タテカン」といいます)を設置してきました。京大周辺に学生団体や職員団体の「タテカン」がある光景というのがごく普通の風景であり、それ自体が文化的な価値を有していたのです。

ところが、2017年頃から、京都市が、京都市屋外広告物条例に抵触していると京大に行政指導をしたところ、京大は道路に面した部分での「タテカン」の設置を禁止しました。学生団体の「タテカン」のみならず、京大職員組合の「タテカン」が京大に撤去されました。

京大職員組合は、京都市当局に何度も文書で質問を重ね、京大とも団体交渉を重ねていましたが、膠着状態となっていました。そのため、京大職員組合(原告)は、京大(被告)と京都市(被告)を相手取った訴訟に踏み切ることとなり、2021年4月28日に京都地裁に訴訟を提起しました。

京大職員組合の主張の概要としては、同条例は規制の対象が不明確で、合憲的な範囲を超えて過度に広範に規制しており、京都市が行った行政指導は表現行為を不当に制限し違憲であると主張していて、また、京大が組合の「タテカン」を合理的理由なく撤去したのは不当労働行為に当たるとも指摘しています。

2 伝統ある「タテカン」文化を取り戻すため

京大職員組合(原告)の弁護団は、村山晃弁護団長を筆頭に、岩橋多恵、渡辺輝人、谷文彰、高木野衣、細田梨恵、大橋百合香、寺本憲治(事務局長)で構成されています。弁護団の中にも京大や京大法科大学院の卒業生がおり、また、京都市民としても「タテカン」文化に長年慣れ親しんできました。

この裁判を通じて、表現の自由や労働基本権を守り抜き、伝統ある「タテカン」文化を取り戻すべく、全力を尽くす所存です。

今後とも皆様のご支援等をよろしくお願い致します。

弁護団による提訴時の記者会見

「京都第一」2022年新年号