事件報告3:「仰木の里」幸福の科学学園建設問題~大津地裁「決定」は建築確認の違法性を示唆~
「仰木の里」が危ない
「仰木の里」はUR(旧住宅都市整備公団)が開発した滋賀県最大規模の閑静な住宅地です(計画人口1万6000人)。その北側の公園に隣接する「谷埋め盛土」の一帯(学園建設予定地)は、地盤が軟弱であるため、住宅開発には不適当であり、未利用地として売れ残ってきました。
ところが、URは7万9000m2、5区画の学園建設予定地を大川隆法氏が率いる「幸福の科学グループ」の「幸福の科学学園」に売却、同学園は、全国から信者の子弟を集めた大規模な全寮制の中高一貫の「エリート校」を建設しようと計画しています。
建設に際しては、「形状の変更」として都市計画法上の開発許可を受ける必要がある切土が行われているにもかかわらず、大津市の前市長が、「開発非該当」としたため、建築確認だけを受けて、建設工事を強行しました。
地域ぐるみの審査請求・裁判へ
これに対し、8200名の地域住民が、建築確認の取消を求めて、審査請求を行いました(11年11月)が、大津市建築審査会は不当にもこれを棄却(一部却下)したため(12年6月)、建築確認の取消訴訟を提訴(8月)し、合わせて、このままでは建築が完成して「訴えの利益」がなくなるため、「執行停止」を求めてきました。
「決定」は「取消」を示唆
大津地裁は、11月29日、「執行停止」こそ認めませんでしたが「開発非該当」の違法を示唆し、建築確認の取消しの可能性を示唆する決定を得ることができました。
更に、全面解決に向けて、粘り強く支援していきたいと思います。
「京都第一」2013年新春号