[事件報告]
免職された旧社保庁職員を職場に戻す闘いの今
2009年末に社会保険庁が解体され日本年金機構が設立されました。その際、年金行政を失敗させた政治の責任を転化され、525人もの職員が分限免職処分(民間の整理解雇に相当)されました。これは機構への人員移行について国鉄解体のときと同様の「新規採用方式」をとり懲戒処分歴がある職員や労働組合の中心メンバーを露骨に排除する中でなされたものです。中には何の処分歴も無いのに夫婦で揃って免職された職員もいました。
京都では免職された原告15人が国家公務員の地位の回復を求めて提訴しています。昨年は人事院審理が行われ、社保庁の幹部だった官僚自身が、他の省庁では毎年数百人の配置転換が行われる一方、社保庁職員は差別されて実行的な配置転換のための措置が取られなかった事を赤裸々に語りました。
また、昨年は「無許可専従行為を惹起した」として懲戒処分を受け、その処分を理由に機構から排除され免職に至った職員について、その懲戒処分が人事院で取り消される成果をあげました。旧社保庁職員がいかに酷い扱いを受けていたかを象徴する出来事です。 今年は訴訟が本格化します。原告たちの職場復帰と、年金行政失敗の原因を明らかにして国民の年金受給権を確保するためにも頑張ります。
「京都第一」2012年新春号