[事件報告5]
裁判員裁判について
2009年5月21日から始まる裁判員裁判に大きな関心が寄せられています。政治については、「政治家まかせにすれば良い」と考えている人はいないでしょう。同じように、裁判も裁判官だけに任せておいては駄目なのです。多くの国で市民が裁判に参加しています。お隣の韓国も、2008年、日本に先駆けて参加制度を導入しました。そして、参加した市民の反応は、悪くありません。日本は、ようやく「追いついてきた」のです。本当を言えば、日本でも80年前には、陪審制度を導入し、実施されていたので、復活したと言うべきでしょう。
裁判員制度は、職業裁判官3人に、市民裁判員6人という9人構成で行われます。市民の数を多くしているのは、「専門家まかせ」にせず、市民の方々が少しでも意見を述べやすくするためです。もちろん私たち弁護士も、市民の方々に刑事裁判のあり方や当該事件の見方を正しく理解してもらえるよう法廷で全力を尽くします。
市民の方々には、裁判での審理をしっかりと見て、評議に臨むことを期待します。そして自分自身の視点で、意見をしっかりと述べ、判決に加わってください。評議では、どのような意見を述べても自由ですし、発言の秘密は守られますので心配はいりません。もちろん「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の大原則はくれぐれも心にたたき込んでおいてください。
市民の方々の良識・常識が、裁判に正しく反映されるようにすること。そのため、私たちの事務所はもちろんのこと、日弁連や京都弁護士会も全力をあげて準備に邁進しているところです。
「京都第一」2009年新春号