原爆症認定訴訟 大阪高裁でも全員勝訴判決
5月30日、大阪高裁は、原爆症認定集団訴訟の控訴審判決で、一審の大阪地裁判決に続いて全員を原爆症と認定しました。
2年前、大阪地裁で原告全員勝訴判決が出されて以後、全国で原告勝訴の判決が相次ぎ、国は、原爆症の認定基準の見直しを迫られ、今年の4月から認定基準を一部変更しました。これにより、爆心地から一定距離内で被曝し、癌など特定の疾病に罹患している被爆者については、一律に原爆症と認定されるようになりましたが、これに対しては、対象となる疾病が限られているなどの問題点が指摘されていました。
今回の大阪高裁判決は、今回の認定基準の変更で認められなかった疾病についても原爆症と認定され、変更後の認定基準がいまだ不十分なものであることを明らかにしました。この大阪高裁判決に対して国は上告せず、判決が確定することになりましたが、他方で、その後に出された長崎地裁判決に対しては控訴するなど、国は、いまだ認定基準の抜本的な改正に抵抗を示しています。
大阪地裁判決から、今回の大阪高裁判決までの2年間で、3人の原告がお亡くなりになりました。他にも、4月からの新基準でようやく認定されたにもかかわらず、認定後2週間で亡くなられた方もおられます。戦後63年が経ち、被爆者には時間がありません。認定基準の抜本的改正と被爆者の真の救済を一日も早く実現するため、皆さんのより大きなご支援をお願いします。
「京都第一」2008年夏号