[事件報告 3]
ヤフーインターネットオークション被害者弁護団奮戦記
この事件は、かのヤフーインターネットオークションが舞台になって起こった事件でして、ある出品者が代金だけ受け取って品物を引き渡さないということを繰り返し行ったことにより、沢山の善意の買主が被害を受けたという事件です。
被害者の失われた代金の取り戻しとこのような被害の再発防止が第一の課題です。出品者自身は現在破産手続き進行中でして、この者の財産から弁済を受けるということは至難な状況になっています。そこで、このような出品者の跳梁を許したヤフー自身に責任があるのではないか、という視点からヤフーに対する損害賠償請求訴訟を起こし得ないかを現在検討中です。
このような問題は新しい問題であり、フレッシュな感覚で取り組むことが求められること、被害者の数も多く社会問題としての性格のある事件であること、から主に新人弁護士で弁護団を組んで取り組んでいくことになった次第です。
これから、破産債権者集会での出品者サイドからの説明や、被害者からの聞き取り結果をもとに事実関係を明らかにし、一人でも多くの被害者にヤフーからの賠償金を受け取ってもらうこと、ヤフーに旧来のオークション設営体制改善を実現してもらうこと、を目指して仲間と共に頑張っていきたいと思っています。
「京都第一」2004年新春号