国民のための司法をつくろう!
抜本的な司法改革の動き・・・「司法制度改革審議会」の設置
1999年7月、2年間という期間限定で「司法制度改革審議会」が内閣に設置され、司法制度を大きく改革するための検討が始まっています。今回の「司法改革」の動きには経済界や自民党の意向が強く働いており、日弁連などが掲げている「市民に身近で信頼される司法の確立」とのせめぎあいの中でこの審議会が設置されました。この審議会は、1999年11月24日付で検討の対象となるテーマの試案が発表され、弁護士業務のあり方や裁判の迅速化などが今後議論されていくことになります。
しかし、この審議会が本当に私たち国民の立場にたって、憲法にうたわれている裁判を受ける権利を保障するための司法制度に向けて改革の提言を行うかどうかは、ひとえに国民の側からの運動の広がりや高まりにかかっていると言えます。
裁判制度・・・長くて分かりにくい声
私たち事務所では、このような観点から、まず手始めに依頼者の方々へ、実際に裁判などを経験してどのように感じたかのアンケートのご協力をお願いしました。裁判経験者から無作為抽出で257名の方々へアンケートを送付し、64通の回答をお寄せいただきました。
回答者の多くは民事事件の原告及び被告の経験者ですが、裁判がわかりにくい、裁判手続について改善した方がよいと思う人が多くいることがわかりました。また、制度面では「法曹一元」(弁護士経験を積んだ上で、その中から裁判官を選ぶシステム)や陪審制(市民から選ばれた陪審員の評議により結論を出す制度)について、多くの人が導入に賛成しています。
「司法制度改革審議会」・・・私たちの声を届けよう
私たちは、これらのアンケート結果から、裁判を経験した多くの方々が不満をもっていることを痛感し、司法制度改革審議会に対し、この集約結果を送付しました。私たちの取り組みは、微々たるものですが、こうした国民の側から率直な声を届けること、その積み重ねが真に国民のための司法を実現する道であるとの考えから、今後も様々な行動を提案していきたいと思います。アンケートにご協力いただき、本当に有り難うございました。