残業代等計算ソフト(エクセルシート)「給与第一Ver0.2」の無料頒布を開始しました
残業代等計算ソフト(エクセルシート)「給与第一Ver0.2」の無料頒布を開始しました
「給与第一」開発の経緯
残業代を請求する際、最も面倒な作業の一つが、タイムカード等の資料を基に労働時間を算出し、場合分けの複雑な計算をして未払残業代を計算することです。従前、インターネット上を検索しても、使用者の立場から給与管理をするためのソフトはあるものの、残業代を請求する労働者や、労働者側弁護士の立場から、効率よく未払残業代や遅延損害金等を計算するものはありませんでした。そこで、それを開発し、労働者の権利向上に役立てよう、としたのが自作の残業代計算ソフト(エクセルシート)「給与第一」開発・頒布の当初の経緯でした。
そして、2010年2月以降、「給与第一」の頒布を当事務所ホームページで開始しました。おかげさまで各地の弁護士等から多数のお問い合わせを頂き、ダウンロード数も毎月数百を数えるなど、ご好評を頂きました。その後、私自身の使用状況や利用者から頂いたご要望に基づき内容を改訂し、また使い勝手を向上させたバージョン0.2を開発しました。この度、その頒布を開始しましたので改編点を中心にご報告いたします。
「給与第一」の機能
「給与第一」は始業時刻、終業時刻、休憩時間等を入力すると、一日8時間超、週40時間超の残業代と深夜・早朝勤務手当の計算を自動的に行います。また、今回の改訂で月60時間超の残業代についても計算できるようになりました。
また、一日の所定労働時間が8時間未満の場合や、週所定労働時間が40時間未満の場合にも対応できるようになりました。さらに、遅延損害金について年利5%の場合と6%の場合を選択できるようにしました。
そして、休日労働の割増賃金については、休日の特定がソフト的に困難なことと、休日労働は全体から見ればそれほど多くないこと、計算方法が非常に複雑なことから「調整欄」を新たに設け、適宜計算した結果を記入していただけるようにしました。
さらに、既払金の計算を簡単にするために、既払金計算書をつくりました。
現在、締め日の別で15日締め版、20日締め版、末日締め版の三つを作っていますが、これではその他の締め日に対応する度に新しい版を作らなければなりません。これを統合して一つのソフトに出来ないか、という点が今後の課題です。
導入の成果
導入後、当事務所だけでも、その後いくつかの事案を「給与第一」を使って処理しており、残業代請求に関する心理的、事務処理的な障壁は格段に低くなったと感じています。通常、パソコンで労働時間を記入する程度は請求者本人も出来るので、当事者に事務を分配できるという点からも事務処理はより楽になりました。利用した事務所外の弁護士の方からも役に立った旨の評価を頂いております。
当事務所のホームページからダウンロードできます
利用については京都第一法律事務所のホームページからダウンロード出来ます。各労働組合等でご活用いただければと存じます。