公務員の大量首切りを許すな!京都の元社会保険庁職員が一斉提訴
公務員の大量首切りを許すな!京都の元社会保険庁職員が一斉提訴
2010年7月23日、京都各地の社会保険事務所の元職員が京都地裁にて国を相手どり一斉に提訴しました。昨年末の社会保険庁解体に伴い一斉に分限免職処分(民間でいう整理解雇)を受け、職を奪われた元職員らが、公務員としての地位の確認を求めています。
1.国による違法な処分と責任の隠蔽
元職員らは、いずれも専門的知識を具えた優秀な職員であり、社会保険庁の業務に誇りを持って携わってきました。ところが、社会保険庁の解体に伴い、それまで従事してきた仕事だけでなく、国家公務員としての身分までも奪われ、失業保険すら受給できないまま路頭に放り出されています。元職員らの家族を含めた多くの人が人生を狂わされ、人間としての誇りを傷付けられています。
社会保険庁解体に伴う分限免職処分は、平等、公正な取扱いを求める国家公務員の身分保障に関する諸規定を全く無視して行われた違法なものです。その結果、525名もの経験ある職員が年金業務から排除される一方、日本年金機構は経験の浅い職員と大量の欠員問題を抱え、年金記録問題を始めとする諸問題はむしろ深刻化しています。
分限免職までの経緯やその後の経過から明らかなことは、社会保険庁解体の正体が、末端の個々の職員たちに年金問題の責任を押し付けて、本来社会保険行政に対して責任をとるべき当時の政権党や高級官僚らの責任を隠蔽するためのものであったということです。年金問題の第一の犠牲者は国民ですが、真面目に働いてきた社会保険庁職員は年金問題の第二の犠牲者といえます。
2.名誉回復と職場復帰を目指して
原告らの生存権や労働権、さらには名誉と誇りを回復するとともに、当時の政権党による不当な目的から真に国民に奉仕する公務員を守るためにも、本裁判への皆さんのご理解とご支援を広げていただきますようお願いします。
なお、京都第一法律事務所からは、荒川英幸(団長)、渡辺輝人(主任)、藤井豊、水野彰子、谷文彰がこの裁判の弁護団に参加しています。