活動紹介

工場型アスベスト被害についてユニチカ元従業員が国と早期和解

1 最短での和解成立

 2024年7月に、京都アスベスト弁護団が主体となった工場型アスベスト被害に関する訴訟で、本日、京都地方裁判所で国との和解が成立しました。

 工場型アスベスト被害については国がなかなか和解に応じず、細かな点について被害者側に主張・立証を求める傾向があり、全国的にも問題となっている中、そのような要求が一切なく、提訴から最短での和解成立となりました。大きな意義のあることだと思います。

 

2 工場型アスベスト被害の枠組み

 工場型アスベスト被害については、次の3点を充たすことが訴訟の中で確認されれば国が和解に応ずることになっています。今回の裁判ではこれらの点が非常にスムーズに確認されたということになります。

 

①1958年5月26日から1971年4月28日までの間に、局所排気装置を設置すべき石綿工場内において、石綿粉じんにばく露する作業に従事したこと

②その結果、石綿肺、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚など石綿による一定の健康被害を被ったこと

③提訴の時期が損害賠償請求権の期間内であること

 

3 アスベスト被害の救済に向けた取り組みを続けます

 今回和解が成立したのは、1969年から2003年まで株式会社日本レイヨン(現:ユニチカ株式会社)の宇治工場に勤務していた方についてです。同社でも勤務中に取り扱った石綿から石綿粉じんに曝露して石綿関連疾患を発症した元従業員についての労災認定例などが多くあるように、国との関係で同じように救済を受けられる方はたくさんいると思われます。アスベストによる被害だと気づいておられない方もたくさんいらっしゃるでしょう。今回の和解が広く報道され、1人でも多くの方の救済につながることを願ってやみません。

 「もしかして?」と思われる方は、どんなことでも構いませんので、まずはご相談ください。アスベストによる被害の実態を多くの方に知っていただき、1人でも多くの方が救済されるよう、当事務所も奮闘して参ります。

 

 

NHKニュース

アスベスト訴訟 元作業員の男性が国と早期和解 京都地裁|NHK 京都府のニュース

 

関西テレビ

「他の方もアスベストの中で仕事していないか疑って」 国を訴えた宇治市の男性、和解成立 提訴から4か月 | 関西のニュース | ニュース | 関西テレビ放送 カンテレ

 

京都新聞

アスベスト訴訟で国と短期で和解 73歳男性の請求通り「満額」支払い「意義がある」|社会|地域のニュース|京都新聞