1 国から情報提供サービスを受けることができます
12月1日から、国(厚生労働省)は、建設アスベスト給付金の請求手続きに関して「労災支給決定等情報の提供サービス」をスタートさせました。
私たちが長年取り組んできた建設アスベスト訴訟で、2021年5月17日、最高裁判所が国と建材メーカーの責任を認めたことを受けて救済法が成立していますので、今回のサービスは、最高裁判決や救済法に沿って被害救済をスムーズに進めるための制度です。
詳しいことは厚生労働省のホームページ(211203行政サービスパンフレット (mhlw.go.jp))でご確認を頂けますが、当事務所でご相談をお聞きすることも可能です。フリーダイヤル(0120-454-489)もしくは事務所の電話番号(075-211-4411)、相談予約フォーム(https://www.daiichi.gr.jp/reservation)から御連絡下さい。
2 建設アスベスト給付金の支給要件
給付金を受けるためには、国に対して給付金の支給申請を行い、一定の要件を充たすことが確認される必要があります。
給付の要件は、次のとおりです。
① 所定の期間に建設現場で石綿粉じんにばく露する作業に従事したこと ※ 石綿の吹付作業については1972年10月1日から1975年9月30日の期間、屋内作業については1975年10月1日から2004年9月30日の期間 ※ その期間において建設作業に従事していれば、労働者であったか個人事業主(一人親方等)であったかは問いません。 ※ すでに労災からの給付や勤め先企業からの見舞金などを受け取っている場合であっても対象となります。 ② その結果、アスベストによる健康被害(石綿肺、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚など)を受けたこと ③ 申請の時期が所定の期間内(発症や死亡から20年以内)であること |
給付金の額は、次のとおりです(ただし、減額される場合があります)。
① じん肺管理区分の管理2で合併症のない場合 550万円 ② 管理2で合併症がある場合 700万円 ③ 管理3で合併症がない場合 800万円 ④ 管理3で合併症がある場合 950万円 ⑤ 管理4、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚の場合 1150万円 ⑥ 石綿肺(管理2・3で合併症なし)による死亡の場合 1200万円 ⑦ 石綿肺(管理2・3で合併症あり、または管理4)、肺がん、 中皮腫、びまん性胸膜肥厚による死亡の場合 1300万円 |
3 「情報提供サービス」を利用できる方
上のような建設アスベスト給付金の支給を受けるためには国に対する請求を行う必要がありますが、今回スタートした「情報提供サービス」は、その給付金請求をスムーズに行うためのもので、給付金請求の際に必要な情報が記載された資料を受け取ることができます。
サービス利用の費用は無料です(郵便代等はかかります)。
申請は厚生労働省に申請書(https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000860910.pdf)や本人確認書類などを送付して行うことになります。
「情報提供サービス」の申請ができる方は、次の①②にいずれも当てはまる方です。
① アスベスト被害について労災支給決定を受けている方 (石綿救済法の特別遺族給付金の支給決定を受けている方) ② 所定の期間に建設現場で石綿粉じんにばく露する作業に従事した方もしくはそのご遺族 |
4 当事務所の弁護士がアドバイスさせて頂きます
注意点としては、「情報提供サービス」の申請をしただけでは、給付金の請求をしたことにはならないという点です。給付金の請求は別途必要となります。また、「情報提供サービス」の申請をして書類が届いても、必ず給付金が受け取れるわけではありません。そもそも「情報提供サービス」の書類をもらえない方も一定数出てくると思われます。そのような場合は給付金を受け取るためにいろいろな準備が必要になると考えられます。
そこで、「情報提供サービス」について、いつでもご相談ください。当事務所は建設アスベスト訴訟弁護団の一員として長年にわたって建設アスベスト被害に取り組んできました。給付金の支給が受けられるようにお手伝いをさせて頂きます。