1 積み重なる勝利判決
建設アスベスト被害の責任を問う裁判の判決が、2020年8月28日には東京高裁で、9月4日には東京地裁で、相次いで言い渡されました。
いずれも国(一人親方に対するものを含む)と建材メーカーの責任を認め、東京高裁判決では「全員救済」、しかも改修・解体作業との関係での建材メーカーの警告表示義務違反が初めて認められ、東京地裁判決では屋外作業との関係での損害賠償責任が認められました。
2 国と建材メーカーの責任を厳しく認める流れは完全に確立
この連続勝利判決によって、国との関係では14連勝となりました。労働者に対する国の責任は少しの疑う余地もなく明々白々です。なおも争いを続ける国の対応は単なる引き延ばしでしかありません。
国の責任のうち一人親方(労働者ではない個人事業主など)に対するものも、2018年3月に東京高裁の別の裁判官が認めて以降、これで7連勝ということになります。国の責任をこのように幅広く認めるという判断も、完全に定着したといえるでしょう。
建材メーカーの責任についてはこれで8勝目。特に、私たちが2016年1月に京都地裁で初めて建材メーカーに勝訴してからは、京都地裁判決を含めて勝訴が8件に対して敗訴は2件のみと、私たちの獲得した京都地裁判決をターニングポイントとして一気に流れが変わりました。
3 全面救済めざし、最後の最後まで
10月22日には神奈川の方々が起こした裁判について最高裁判所での弁論が開かれます。私たちの願いは「いのちあるうちの解決」と「被害者補償基金の確立」です。
原告のみなさんは文字通りいのちをかけて闘っています。その想いに応えるため、当事務所も最後の最後まで全力でがんばります。