建設アスベスト被害の全面救済を求めて~5・20/日比谷3000人集会~
1 全国集会に3000人!
5月20日、「建設アスベスト訴訟の早期解決を目指す全国決起集会」が東京の日比谷野外音楽堂で開催され、全国各地から3000人が集まりました。
建設アスベスト訴訟が全国で初めて東京訴訟に提起されてから8年が経ちますが、その間に全国で100名を超える原告が亡くなられ、正にいのちを削る壮絶な闘いとなっています。私たちのスローガンである「いのちあるうちの解決を」の願いは本当に切実です。しかし、アスベストの危険性を知りながらそれを隠して建材を製造販売し、儲けてきた企業も、アスベスト建材を規制せず、それどころか推奨してきた国も、被害者の声に一切耳を貸そうとしません。裁判を引き延ばしなり振り構わず責任を免れようとするその姿勢に、私たちの怒りは大きくなるばかり。国や企業は、いつまで被害者救済に目を背け続けるのでしょうか。
建設アスベスト訴訟の提起から8年、その間に東京や福岡で勝訴判決を獲得し、今年1月の大阪・京都関西連弾判決では4度国の責任が認められ、京都では初めて企業の責任も認められたことを受けて、建設アスベスト被害の全面救済と根絶を目指して開催されたのが本集会でした。
主催者や弁護団、国会議員からの挨拶や報告の後でマイクを握った各地の原告団からは、いまも多くの人がアスベスト被害に苦しみ、亡くなる人も後を絶たないと痛切な訴えがありました。他方で、国に4連続で勝訴し、京都では企業にも勝訴したことで全面救済への大きな希望を持つことができたというお話もあり、この裁判は京都だけでなく全国で連帯しながら闘っているのだということを改めて強く感じました。
続いて、掛け声に合わせ「国とアスベスト企業は被害者につぐなえ!」「国とアスベスト企業は被害者にあやまれ!」と書いたボードを3000人で掲げるアピールを行いました。その様子、圧巻です。
2 被告企業太平洋セメント前に3000人!
続いて参加者3000人が向かったのは、お台場にある太平洋セメント株式会社のビルです。これまで被告企業のほとんどは原告らとの交渉の席に着き、京都判決を受けてからは「救済制度ができれば応分の負担をしないわけにはいかない」などと解決への前向きな姿勢も示すようになりましたが、太平洋セメントはいまだに交渉にすら応じていません。同じように交渉を拒否し続けてきたニチアスも方針を転換して交渉に応じると連絡してきたことから、残る交渉拒否企業である太平洋セメントを全員で包囲し、交渉に応じるよう求めるための行動でした。
京都判決で太平洋セメントを含む企業責任が認められたことも踏まえて私たちは強く交渉を申し入れ、原告団や支援者、弁護団が次々とマイクを握って3000人で訴えました。
太平洋セメントは、「対話と社会貢献活動を推進(する)」とホームページで宣言しています。それにもかかわらず、なぜ被害者との交渉に応じないのでしょうか。自社のアスベスト建材で被害を受けた者とは対話をしないのでしょうか。被害に向き合わないどころか自ら宣言したことさえもしようとしない、そのような不誠実な姿勢は企業として許されるものではありません。
私もマイクを握って交渉に応じるよう求めましたが、太平洋セメントは最後まで応じようとしませんでした。
今回は交渉の場に着かせるまでには至りませんでしたが、これからも、建材メーカーに交渉に応じさせ、被害者への謝罪と償いを勝ち取るまで、私たちは引き続き取り組んでいきたいと思います。
3 京都訴訟への支援をお願いします
京都建設アスベスト訴訟は国や企業の控訴によって大阪高裁に舞台を移しています。今後審理が本格化していくことになりますので、皆さまのご支持・ご支援をよろしくお願い致します。
以上